通常ポケコンは容量が少ないため、
保存できるプログラム・データにも限界があります。
しかし、パソコンと接続しやりとりする事で、
パソコンのハードディスクにプログラム・データを保存したり、
インターネットからプログラムを入手し、ポケコンに入れる事ができます。
また、動作がおかしくなり、リセットせざるを得ない状態になる事もあるため、
予めプログラムやデータをバックアップする意味でも有効です。
以前はシリアル(RS-232C)接続による方法が用いられていましたが、
現在のパソコンはシリアル端子がほとんど存在しません。
その場合でも USB 等の代用方法があり、
最近のパソコンでもポケコンの接続が可能です。
Windows ではシャープの純正ソフト PC-Gリンク が存在します。
ただし PC-Gリンクは COM1~COM4 しか指定できません。
そこで、PCGTool がおすすめです。
CHARATSOFT.COM - Software - 新ポケコンの部屋
※ リンク先は CG・イラストがあります
macOS で転送を行う場合は PCG-LinkMac を使用できます。
これらを用いずにターミナルソフトを用いての転送も可能です。
先に受信側で受信待ち状態にした後、送信側で送信を開始します。
マシン語もインテルヘキサのファイル形式で転送可能です。
macOS では標準のターミナルより cu や screen を用いて
使用する事も可能です。
$ ls -l /dev/tty.*
(名称を確認する。ここでは tty.USBport と確認)
$ screen /dev/tty.USBport 9600 (G850 シリーズの場合)
下のページを参考にして下さい。
共通事項として、全く反応がない場合、
最近のケースで意外と多いのが USB ケーブルの問題です。
通信用の USB ケーブルを使用して下さい。
充電用の USB ケーブルは通信できない事があります。
すべての文字が文字化けしている場合は
ポケコン側とパソコン側の設定で異なるところがあるでしょう。
高松製作所 で パソコン接続ケーブル があります。
2008年から「PC-E200/PC-G8xxシリーズ用パソコン接続ケーブル(USB)」を
発売しています。
高松製作所 - ポケコン周辺機器の他、改造代行も行っています。
注意 |
この方法はシャープや運営者などが
状況によっては動作しないだけではなく、
行った事による損害・障害を運営者は一切負いません。 |
FT232RL を用いた USB 接続アダプタを自作する事が可能です。
1000〜2000円位で収まります。
高松製作所のアダプタも FT232RL を採用しているため、実績があります。
他のチップでは反転ができず、回路的に考慮する必要があります。
ポケコン用USBシリアルインターフェース製作1 | Kazuchi Software
PC-G850V用USBシリアルコンバータの製作 | Kyoro's Room Blog
PC-G850用 USB通信ケーブルを作ろう!|CharatSoft ※ トップページからはCG・イラストがあります
これらの情報を元に運営者がハンダ付けする代わりに
ブレッドボードとジャンパワイヤを使用し、
秋月電子通商 の FT232RL USB シリアル変換モジュール AE-UM232R を用いて
転送に成功しました。
また、FTDI が出している USB-TTL シリアルコンバータケーブル も使用可能です。
FTDI USB・シリアル変換ケーブル(5V) | 秋月電子通商
USB-TTLシリアルコンバータ(5V) | ストロベリー・リナックス
Arduino 向けの6ピンモジュール等は RTS がありません。(代わりに DTR)
こちらは PC-G850 シリーズに限りフロー制御を Xon/Xoff にする事で
使用できると思われます。
フロー制御なしで他の機種でもいけるかもしれませんが、
文字欠けなどが発生する可能性があります。
注意 |
FT232 チップの偽物が存在している事が分かっています。
FTDI はこの対策を行い、偽物を使用した場合に
安物のモジュールはこの可能性が高いです。
実際偽物で動作させた時のブログ記事が下記にあります。
|
線をつなぐだけなので比較的簡単に行えますが、
ピンの位置を誤ると破損→故障の原因となる場合もありますので、
ピン位置を確認して行って下さい。
安物モジュール-PC-G850 シリーズ の場合は
GND-GND・TXD-RD・RXD-SD の3ピンです。
FT232RL | AE-UM232R CN2 | - | PC-E200・G シリーズ ↑上・液晶 |
- | 1 NC | ||
- | 2 Vcc | ||
7 GND | 7 GND | - | 3 GND |
11 CTS | 10 CTS | - ※ | 4 RS (BUSY) |
- | 5 DR (Dout) | ||
1 TD | 1 TXD | - | 6 RD (Xin) |
5 RD | 5 RXD | - | 7 SD (Xout) |
- | 8 CD (Din) | ||
3 RTS | 3 RTS | - ※ | 9 CS (ACK) |
- | 10 ER (DTR) | ||
- | 11 CI |
※ マシン語の転送に失敗する場合は
ポケコン側の 3 GND 端子から 1kΩ 抵抗を経由して
2 端子を接続して下さい。(プルダウン)
最初使用する前に、FT_PROG を用いて
負論理 から 正論理 に変更する作業が必要です。
FT_PROG は Windows 用アプリとなります。下記ページに手順があります。
サンハヤトから CT-441 というポケコンUSBアダプタが存在していましたが、
2008 年 8 月を持って販売終了となっています。
CT-441 のチップには PL-2303 が使われているのですが、
最近の OS では PL-2303 は偽物対策で認識しにくくなりつつある事、
更に CT-441 は独自の ID を使用しています。(VID 14A1・PID 0001)
そのため、CT-441 を入手できたとしても使用できない可能性が高く、
現在はおすすめできません。
ドライバーがフロッピーディスクに入っていましたが、
同じドライバーが入手できます。
Windows XP はこのドライバーで認識します。
32bit 版の Windows は使えるかもしれません。
macOS 用は Prolific PL-2303 用のドライバーを入手し、インストールします。
http://www.prolific.com.tw/US/ShowProduct.aspx?p_id=229&pcid=41
純正ドライバーでも、下に記載してあるサードパーティ製でも、
どちらでも構いません。
その後、/system/Library/Extensions に入ったドライバー .kext を選び、
そのドライバー内にある Info.plist を開き、記載を追記します。
Prolific 製ドライバーだと ProlificUsbSerial.kext です。
上の key と idProject・idVendor は合わせて、
他の項目はすでにある項目に合わせて下さい、
通常はターミナルから sudo vi Info.plist 等としないといけないでしょう。
再起動して、ネットワークの追加など、反応があれば成功です。
デバイスは /dev/cu.〜 の方にして下さい。
(ドライバーによって名称に違いがあります)
/dev/tty.〜 にすると、固まります。
こうなった場合は一度ケーブルを外して起動し、
設定を仮に別にものへ変更してから
ケーブルを挿しなおして設定しなおして下さい。
または一度強制終了して、起動しなおしても良いです。